自律神経の働きを理解してストレスと戦おう・・・①

ストレスに関連して、自律神経の話を耳にすることがよくあると思います。それについてある理論があります。

もともと自律神経系には、交感神経と副交感神経があるというのは良く知られていて緊張状態の時には交感神経が、リラックス状態の時は副交感神経が優位になってバランスをとるという話を聞いたことがあるかと思います。

副交感神経を代表する神経に迷走神経というのがあるのですが、実はこの迷走神経には、背側迷走神経と腹側迷走神経の2種類があります。
ストレスに直面したときに、これらの神経はそのときのストレスの脅威度によって活性化する神経が変化するという理論です。

ストレスへの対処策の一つは、いわゆる「闘争逃走反応」と呼ばれるもので、敵が目前に現れた時に、生存率を上げるために敵から一目散に逃げて距離をとるか、向き合って攻撃することで脅威に対処しようと言う反応です。これを担っているのが交感神経です。

これよりもさらに差し迫った命の危険が生じた際に生じるのが背側迷走神経が担う「フリーズ反応」です。これは動物であれば仮死状態とも言えるもので、あまりにも圧倒的な脅威にさらされた際にフリーズすることで少しでも生存率を上げるために生じる反応だとされています。

人間でもあまりにも驚異的で対処のしようの無い状況に曝された時には、身体が凍り付いたように動けなくなることがあります。

 最後の腹側迷走神経が担っているのは、とりわけ人間がたった一人では自然界で生き抜くことが出来ないからこそ発達させてきた、いわば集団で守り合い他者と支え合いながら生き抜く対処策であり「社会的関わりシステム」と呼ばれるものです。

次回は、それぞれの神経の働きとストレスの対処の仕方についてご紹介いたします。

>>>続く